メイクセラピーとは、一言で言えばメイクを用いて悩める人々の心を癒やすセラピーのことです。通常のメイクは単なるオシャレのためだったり、テレビや映画に出演する際に見栄えを良くしたりするものですが、メイクセラピーは施術を受ける人の心を変化させることに重きを置いています。つまり、メイクを目的とするのではなく、メイクを手段として用いるという点が大きな違いです。
メイクで心を癒やして変化させるとは、具体的にはどういったことでしょうか。例えば、自分の顔に痣があるなどコンプレックスを抱いている人がいたとします。その人がメイクによって理想の顔に近づくことができれば、自分に自信を持って楽しく過ごすことができるでしょう。また、事故や病気などで顔に傷や痣ができる場合もあります。その傷や痣のせいで自分に自信をなくして行動にブレーキがかかっているならば、メイクを施すことによって積極的に行動できるようになるでしょう。さらに、化粧をしなくなった高齢者にメイクを施してあげれば、気持ちまで若返り、生き生きとした毎日を送ることにつながります。
メイクセラピストになるには、メイクの技法以外に心理カウンセリングの技能も習得する必要があります。現場でメイクを施す場合には会話をして、その人がどういう顔になることを望んでいるのかを的確に判断し、そのようなメイクを施していくことになります。メイク終了後もフォローのカウンセリングを行って、外面と内面がマッチしているかどうか確認をする必要があるからです。現在のところ、メイクセラピーは社会的認知度は低いものの、これからどんどん発展していく可能性が大いに見込める分野と言えでしょう。